地震の巣
2014年9月18日
地震の巣
9月16日に起こった茨城県南部を震源とする最大震度5弱を観測した地震について
気象庁は16日緊急記者会見を開きました。
会見では長谷川洋平・地震津波監視課長が
「今後2、3日の間は震度3,4の余震に注意が必要。
地盤が緩んでいる場所では落石や崖崩れも起こりやすくなっている恐れがある」と警戒を呼びかけました。
気象庁によれば、震源の深さは47キロ。フィリピン海プレートが陸側のプレートの下に沈み込むプレート境界で起きた。
岩盤が両側から押され、上下斜めにずれるいわゆる「逆断層型」の地震との事。
マグニチュード(M)は5.6で、最大震度は5弱を栃木県佐野市など計15市区町村で観測しました。
震源から西側に位置する群馬県南東部や埼玉県北部などで強い揺れが観測され、
長谷川課長によれば強い揺れが観測された上記の地域は
「利根川流域など河川による堆積作用でできた場所であることが影響した可能性がある」と説明しました。
震源の茨城県南部は長谷川課長によると「地震の巣」と呼ばれる地震活動が非常に活発な地点で、
過去にもM6程度の揺れが頻繁に観測されており、平成23年の東日本大震災後には、さらに地震活動が活発化したとの事。
2012年6月(M5.1)や05年2月(M5.3)にも同じ規模の地震が発生している。
政府の首都直下地震の検討では、茨城県南部を震源としたM7.3の地震も想定されています。
気象庁の長谷川洋平・地震津波監視課長は
「プレート境界で発生したという点で茨城県南部で想定されている首都直下の地震と類似しているが、
今回の地震が大きな地震につながるかどうかは分からない」と述べました。
関東地方全体が地震の巣という見方も
関東地方は、太平洋プレート、北米プレート、フィリピン海プレートという3つの地殻が集まった
世界的にみても珍しい地域です。
それぞれのプレートが地震を起こすだけではなくて、お互いのプレートの相互作用でも地震を起こす。
そのため世界でも有数の地震頻発地域となっている。
地震にはM8を超える「海溝型地震」と、M7クラス以下の「内陸直下型地震」の2種類があります。 一般には日本の沖で起きるとされている海溝型地震ですが、
実は首都圏だけが地理的な構図により海溝型地震が「直下」で起きてしまうという。
過去には、大正関東地震(関東大震災、1923年)や元禄関東地震(1703年)といった海溝型地震が首都圏を襲った例がある。
内陸直下型地震は繰り返しがあるのか不明ですが、海溝型地震は一定の周期で繰り返し起こるため
関東地方にお住まいの方は常日頃から特に物心両面の備えをする必要があります。