地震だけじゃない!様々な自然災害
2014年5月13日
世界有数の地震多発国である日本。
「防災対策」と聞くと、つい地震のことだけになりがちですが、他にも起こりうる災害は多数あります。
今回は、想定される様々な自然災害についてまとめました。
地震
前段の通り、日本は世界有数の地震多発国です。
少し古いデータですが、国連開発計画(UNDP)が2004年に発表した資料[2]によると、1980年~2000年の間にマグニチュード5.5以上の地震が発生した頻度を順位付けすると日本は中国、インドネシア、イランに次いで、世界第4位となっています。
また、地震調査委員会が2014年4月に発表した資料[3]によると、今後30年間に関東圏においてマグニチュード8クラスの地震が発生する確率は5%、マグニチュード7クラスの地震が発生する確率は70%となっています。
さらに、同委員会が2013年5月に発表したり資料[4]によると、東海から九州までの広い範囲で、今後30年間にマグニチュード8~9クラスの地震が発生する確率は60~70%となっています。
地震が発生すると、その規模にもよりますが、津波や土砂崩れ、建物の倒壊や火災、ライフラインや流通・交通網の停止が発生するなど、多くの2次災害が発生します。
建物の補強や、家具の固定など、まず直接的な被害を防ぐ対策が必要であるとともに、その後必要となる、水や食料の確保を忘れてはいけません。
火山の噴火・降灰
日本は、太平洋をぐるっと囲む火山帯の一部に位置していて、世界の約7%にあたる110の活火山が存在している国で、記録にあるだけでも多くの火山災害に襲われてきました。
1990年以降でも、雲仙岳(長崎県)、有珠山(北海道)、三宅島(伊豆諸島)、霧島山(新燃岳・九州南部)など、大きな被害をもたらした噴火が発生しています。
霧島山(新燃岳)は、現在でも火口内に高温の溶岩が留まっており、引き続き警戒が必要な状況といいます。
2009年以降、桜島では爆発的噴火が毎日のように発生しており、2011年は観測史上最多となる年間996回、2012年は年間885回を記録するなど、活発な火山活動が継続し、降灰による農業被害が発生しています。
噴出物の総量が10億トンを超えるような大規模の噴火は、1914年の桜島の大正噴火以降発生していません。しかし、過去の噴火の歴史を振り返ると、いつか必ず大規模な噴火は起こります。
さらに、東北地方太平洋沖地震発生後の日本は、同じく三陸沖での大きな地震が発生し、火山活動も活発であった9世紀の状況に似ているとの指摘もあることから、今後いつでも噴火は起こり得ると考えたほうが良さそうです。[5]
一旦噴火が始まると、降灰の影響によって外出することが困難になり、交通や物流網がストップすることが考えられます。
火山の噴火への備えとして、食料の準備は欠かせません。
大雪
日本は、傾斜が急で険しい山々が南北を縦断しています。冬になると、北側はシベリア方面からの冷たい季節風が、南側からは日本海の暖流がこの山々にぶつかることで、日本海側での大雪を発生させています。
ところが、このバランスが崩れると、太平洋側でも大雪となることがあります。2014年2月に発生した、関東・甲信越での大雪の被害は記憶にあたらしいところです。
東北や北海道など、例年降雪がある地域では、各自治体や家庭単位で相応の対策もなされていますが、関東・甲信越では大雪が想定されておらず、大雪が即災害につながることになっていまいます。
2014年2月に発生した大雪では、関東・甲信越の8つの都県で少なくとも7,783人が孤立[6]状態となり、孤立状態の解消までに2週間もかかった地域もありました。
孤立とまでいかなかった地域でも、雪による交通・物流網の停止によって、食料の供給も停止し、スーパーやコンビニに食べ物が無い状態が発生しました。
大雪への備えとして、排雪用のスコップ等の準備とともに、水と食料の準備は欠かせません。
新型インフルエンザの発生
自然災害ではないのですが、人々の活動や、水や食料の供給に問題が出るという点では、新型インフルエンザの流行もひとつの災害と捉えて良いのかもしれません。
新型インフルエンザは、過去の歴史を見ると、およそ10年から40年の周期で発生しています。
ほとんどすべての人が新型のウイルスに対する免疫を持っていない状態のため、一旦流行りだすと、世界的な大流行(パンデミック)となり、大きな健康被害とこれに伴う社会的影響をもたらすことが懸念されています。[8]
また、インフルエンザだけでなく、未知の感染症である新感染症によって、新型インフルエンザと同様に社会的影響が大きいものが発生する可能性もあります。新型インフルエンザや新感染症の流行が確認された場合、国や各自治体などは、感染拡大を防ぐために、人々の移動を制限できることがすでに決まっています。
移動が制限されると、スーパーやコンビニといった食料品店の営業休止が起こったり、物流の停止による食料の供給不足が発生することが考えられます。
新型インフルエンザ、新型感染症への備えとしても、食料の準備は欠かせません。
まとめ
これらのように、地震以外にも様々な事象によって、普段あたりまえだと思っている生活が困難になることがあります。
その時になって慌てず、少しでも心の余裕を持つために、また、日常においても有事に備えているという安心感を得るために、十分な準備をすることをおすすめいたします。
<引用・参考資料>
- [1] wikipedia 松岡明芳「阪神淡路大震災(生田新道 東急ハンズあたり)」
- [2] 国連開発計画(UNDP)「世界報告書:災害リスクの軽減へ向けて」(2004年8月)
- [3] 地震調査委員会「相模トラフ沿いの地震活動の長期評価(第二版)」
- [4] 地震調査委員会「南海トラフの地震活動の長期評価(第二版)」
- [5] 内閣府「平成25年版防災白書」
- [6] 読売新聞 2014年2月17日「大雪 8都県で7783人が孤立」
- [7] 読売新聞 2014年2月21日「24人死亡、223人依然孤立…大雪1週間 」
- [8] 内閣官房「新型インフルエンザ等対策」