あなたが住んでるその地域。本当に安全?(3/30追記)
2015年3月30日
地盤について
柱や壁などの「家の構造」はもちろん重要ですが、家を支えるにあたって最も重要な部分は実は「地盤」なのです。
地震の際の揺れは震源地に近いほど大きくなるのはもちろんですが、軟弱な地盤の場合地震の揺れが増幅されて被害が拡大します。
つまり地盤の軟弱度の違いにより建物の被害に差が出るのです。
また、強い地震の揺れにより地盤が一時的にその強度を失ってしまう「液状化」により、地盤がゆるくなり、地盤沈下による建物の傾斜、それにより亀裂が入るなど様々な被害が起こります。
この様に地盤は非常に重要なのですが、その中身は、目には見えないため、調べるとなると、専門家の監督の元おおがかりな機材を使用した調査が必要であるため、費用もかかります。
上記の様にきちんとした調査をした方がいいのはもちろんなのですが、そこまでしなくても、自分の住んでいる地域の地盤はどうなのか?簡単に調べる方法があるのです。
危険な地盤の手がかりになる「地名」
最も危険な地盤は、昔は「海」「川」「池」「沼」などであった場所を埋め立てた土地。
または谷を埋めた土地、水の集まりやすい低地などです。
地質調査以外でその土地の地盤を知る手がかりは「地名」にあります。
例えば低地を表す「溝」「窪」等の字が付く地名や、水辺に関係する「沢」や「河」などサンズイの付く地名から、地盤の軟弱さをおおよそですが予測することができるのです。
「地盤」だけじゃない災害リスク別
代表的な地名
■軟弱地盤:
「砂」「浜」のような漢字の地名。
「新」「梅」という漢字が使われているところは、埋め立て地が多いため軟弱なだけでなく液状化も懸念されます。
「葦」「芦」「稲」「萩」「井草」「管」「蒲」「蓮」「柳」などの水辺の植物の名前が付属する地名。
■土石流:
「高」「滝」「竹」「速水」等の漢字。また「龍」「鶴」「鷺」など水辺の生物
■地滑り、地崩れ:
「水」や「さんずい」へんの漢字。または「杉」「猿」などがつく地名。
■湿地や低地を表す水のわきやすい土地:
「谷」「津」「葦」「芦」「砂」「水」「さんずい」「深」「窪」「堀」「溝」「沢」などの付属した地名。
■津波:
「浜」「津」「川」「港」「押し上げ」「浦」などの地名。
■土砂災害:
「左古」「柿」「垣」「杉」「垂」「合」(河合、落合など)などの地名。
上記はあくまで一例ですが、町名の統廃合。大規模な宅地開発に伴い昔の地名が失われ、新興の人工的な町名(「美しが丘」「○○プラザ」など)が付けられている場合もあるため、お住まいの地域名が上記に当てはまらないからと言って一概に、完全に安心とは言えないのが現状です。
じゃあどうやって判断すればいいの?
作意的と考えられる地名を判断するには下記の方法があります。
・登記簿を調べる
登記簿には「地名地番」が記載されております。
地名地番とは、土地を登記する際のいわば「戸籍上の本名」にあたります、利便性によって整備された住居表示よりも、古い地名の痕跡を辿れる可能性があります。
・図書館や資料室で旧地名の由来を調べる
市区町村の中心的な図書館にはたいてい、郷土資料として地史や地名の由来に関する資料があります。
その中で「地名の変遷」について記述された資料を探せば、古い地名を辿る事が出来ます。
また、図書館によってですが明治・大正の「地籍図」やその復刻版を備えている場合があります。
これがあった場合はよりはっきりと古い「地名」が判断出来る事でしょう。
・区役所、市町村役場で調べる
近年では役所内部に自由に閲覧できる資料室を備えたところが増えているため、残念ながらどこの役所でもそうだとはいえませんが、ここで目的の資料を発見出来る場合もあると思われます。
または、役所の住居表示を担当する「住居表示課」等に過去の資料を保存している場合もあるので、相談に応じて調べてもらえることもあるそうです。
地震ハザードカルテ
http://www.j-shis.bosai.go.jp/labs/karte/
地震に限っては、独立行政法人防災科学技術研究所(NIED)が公開している、各地点の地震ハザード情報をまとめた「地震ハザードカルテ」というサービスがあります。
このサービスは、任意の場所を検索して、住所に関する地震危険度の診断書が閲覧出来るものです。
その場所がある一定期間内に見舞われると思われる地震の震度に関する確率。
その場所の地盤が軟弱か否かの情報をまとめた総合評価が閲覧可能。
言わば健康診断結果のように地震の危険度を一覧表示できるものです。
まとめ
上記に記載した漢字については、別の由来で付いている場合もあるため、もちろん全ての地名についてあてはまる例ではありません。
大事な事は、由来がどちらであろうと、普段から起こりうる可能性のある災害の事を考えたり、過去の災害の例から学び、備えておく事なのかも知れませんね。